今回は、平成29年9月号の『顕真』の記事を紹介いたします。
愛知県 M.Hさん「元気な今、本願を聞き伝えたい」
親鸞学徒追悼法要で、M.Hさんは、5月に逝去した父親の追悼を申し込んだ。7月には、四十九日法要を名古屋会館で勤め、無上仏に導かれた10数名の親族が参詣した。
名古屋に住む高齢の父・D.Iさんを訪ねて、6年前から毎月、ビデオご法話を開催してきた。当時、兵庫県に住んでいた姉・S.Hさんも、早朝に出発して、一緒に聞法したという。念珠を手に無上仏に深々と頭を下げる父の姿に、2人は大きな喜びを感じていた。
学徒タブレットが導入された2年前からは、3人で、『アニメをひらく』を聴聞した。D.Iさんは、「すごいものを作ってくだされたなあ……」と、よく感嘆の声を漏らした。体調を崩すことが多くなった昨年6月頃からは、短い動画を中心に聞法したという。
やがて入院した父親の近くにいたいと、M.Hさんは今年4月、夫・Y.Hさん(学徒)と、岩倉市の自宅から名古屋市の実家へ移る。5月中旬には、本人が帰宅するつもりで準備を始めるほど、D.Iさんの容体は安定していた。
ところが5月末、突然、危篤の知らせ。驚いて、自転車で駆けつけたが、無常の風は待ったなしで、死に目に会うことができなかった。享年96。3日前、ベッドの父の頭をなでながら、念仏を称えていたM.Hさんに、「もういいぞ」と、優しく帰宅を促したのが、最後に聞いた言葉だった。
地元の会館に親族13名
M.Hさんは、「父が病に伏してからは、体がつらいのか、仏法を聞くこともままなりませんでした。元気な時でなければ聞けないことを教えてくれたのだから、家族や親族と聞かせていただかねば、と思わずにおれなかったのです」と振り返る。
迷わず、通夜と葬儀を本会に申し込んだ。名古屋市内の葬儀会場に、姉夫婦や末の弟、いとこなど22名が参列し、中村美代講師から「白骨の御文章」を聴聞した。
本会の会館なら、より親族の仏縁になると考えたM.Hさんは、その時に、「四十九日を、親鸞会の名古屋会館でしたいのだけれど……」と提案。姉や弟は皆、賛同し、その場で中村講師に申し込んだ。
かくて会館で行われた四十九日法要には13名が参列し、中村講師から『正信偈』の説法を聴聞した。その後、タブレットの動画をスクリーンに投影して『正信偈』『御文章』とはどんなお聖教かも学んだ。
親鸞学徒追悼法要には、父とともに、27年前に亡くなったM.Iさんの追悼も申し込み、学徒の親族5名が勢ぞろいした。姉のE.Nさんは、長女とともに聞法し、「白骨の御文章」に、「いつ、どこで、どうなるか分からぬわが身を教えていただき、もっと真剣にお聞きしなければ、と思いました」と語る。
今月、納骨のために、親族が市内の墓地に集まる時には、墓石にある「南無阿弥陀仏」の意味を知らせたいと、M.Hさん自らタブレットで、「浄土真宗の正しい御本尊とは」を上映する予定だ。
M.Hさんは、「父も生前、母の追悼を縁に、親鸞会館に初めて参詣しました。ふだん、仏法を聞いていない親族も、葬儀や法事なら参列しやすい。今後も機会を逃さず、弥陀の本願を伝えたい」と語っている。
編集後記
私たちは日ごろ「忙しい、忙しい」と目の前のことだけに一生懸命ですが、私たちの都合はお構いなしに、無常は突然やってきます。これからも、我が身の無常を見つめ、「どんな人をも 必ず助ける 絶対の幸福に」と誓われている阿弥陀仏の本願を真剣に聞かせていただきましょう。